おかしなニワトリジョワ1

ライフストーリー制作ワークショップ

お絵かき書道家えつこ

「自分の人生のテーマを物語にして伝える」ワークショップを開催しています!

ワークショップ参加者の制作した物語をアップいたします。

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~おかしなニワトリジョワ~

 

 

 

ある村の小さな農場に、ジョワという小さなニワトリがいました。

ジョワは、大人になっても、ヒヨコほどの大きさしかない、おかしなニワトリでした。

 

 

ジョワのお母さんは、

農場で一番綺麗で、大きな声で鳴くニワトリでした。

毎朝、綺麗な鳴き声で夜明けをつげるジョワのお母さんは、「夜明けの女神」と呼ばれ、村中で親しまれていました。

 

ジョワは、そんなお母さんのようになりたくて、毎朝、お母さんの隣で鳴き声を真似しました。

 

 

ところが…

 

 

体の小さなジョワは、鳴き声もとってもおかしい声でした。

 

あまりにおかしな鳴き声なので、

 

「変な声で鳴くんじゃない!!!!」

 

と、農場のご主人に怒られてしまいました。

 

「あなたは鳴かなくていいから、隠れていなさい」

 

 

お母さんにそう言われて、

ジョワは、大きな体のお父さんの影で隠れました。

 

それでも、小さな声で、コッソリ鳴いていました。

 

そんなある年のこと。

雨が降らない日が続き、農作物がほとんど取れない時期が続きました。

 

 

鳥たちに、餌が与えられなくなり。

 

次々と、鳥たちが飢えで死んでいきました。

 

 

働き者のお母さんが、まず、倒れました。

 

 

ジョワは、助けを求めて鳴きました。

 

けれど、

ずっと隠れていたジョワの声は、とても小さくなってしまっていました。

 

鳴いても、叫んでも、誰にもジョワの声は届きません。

 

 

 

 

お母さんは、死んでしまいました。

 

それから、体の大きなお父さんが、倒れました。

 

「最後に、お母さんの声が聞きたかった…」

 

ジョワは、お母さんの真似をして、一生懸命鳴きました。

でも、やっぱり、

お母さんのような綺麗な声では、鳴けませんでした。

 

 

お父さんは悲しそうな顔をして、死んでしまいました。

 

 

 

 

小さな体のジョワは、

 

 

たったひとり、生き残りました。

「私は、誰の役にも立てない…」

 

 

絶望したジョワは、声を失ってしまいました。

 

家族を失い、声を失い、

 

ジョワは、生きる目的も失いました。

 

 

それでも、ジョワは、生き続けました。

 

どうして生きているのかは、分かりません。

ただ、死ぬのは怖かったのです。

死ぬ勇気がない。

 

それだけが、ジョワが生きる理由でした。

 

 

ジョワは、お母さんを思い出してしまう朝を避けて、

夜空を見上げるようになりました。

 

 

「お星様は、鳴けなくても、あんなに綺麗だ。

わたしに、綺麗な鳴き声か、美しい見た目か、どちらかでもあったなら…。」

 

ジョワが声を出さずに鳴いていると…

 

 

とつぜん、光っていた星のひとつが、

ジョワをめがけて落ちてきました。

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