ジョワがフクロウさんを笑わすために作った場所は、いつの間にか、いろんな鳥の住処になりました。

 

いろんな鳥と出逢って、いろんな鳥に感謝されて。

 

ジョワにとって、久しぶりの楽しい生活でした。

 

 

 

ところが、そんなある日。

 

大好きなフクロウさんが、どんどんやせ細っていることに気が付きました。

 

ジョワは「どうしたの!?フクロウさん!!」と聞け…ないので、ジェスチャーで一生懸命訪ねました。

 

フクロウさんは答えました。

 

「ここにいると、鳥を食べる気にならないんだよ。」

 

そうです。

フクロウは肉食。

小鳥やネズミなどの、小動物を食べて生きるのです。

 

餌を食べなくなったフクロウさんは、どんどん痩せこけていったのです。

 

 

ジョワはショックでした。

 

 

私がしたことは、また、ムダだった!!

また、大好きな人の、役に立てなかった!!!

 

鳴き声をあげることのできないジョワは、

 

あたりの巣を壊して、思い切り音を立てました。

「やめるんだ!!」

 

フクロウさんがジョワを止めました。

 

 

「ムダなんかじゃなかったよ。

オレにとって小鳥は、ただ食べるための餌だった。

 

だけどジョワと出逢って、違う喜びを知った。

 

 

小鳥を食べられないフクロウなんて、おかしいよな。

 

でも、ここでの暮らしは、本当に幸せだったよ。

おかしいけど、幸せだった。

 

おかしなお前と出逢ったから、幸せだったんだ。」

 

 

「でも、ずっとここにはいられない。

サヨナラ。

ありがとう。

オレのおかしなジョワ。」

 

フクロウさんは、そうして、夜空に飛び立っていきました。

 

 

ジョワは泣きました。

 

 

だんだんと遠ざかっていくフクロウさんを見て…

 

 

 

「フクロウさん!!!

 

サヨウナラ!!!!

 

 

ありがとう!!!」

 

 

ジョワは、

やっと、

 

 

鳴くことができました。

 

 

それからしばらくして…

 

ジョワは、出逢った小鳥と結婚して、たくさんの子どもを生みました。

 

 

小鳥のように鳴くニワトリ。

ニワトリのように大きな小鳥。

 

 

「見て、変な鳥だよ」

 

ときには、笑われることもありました。

 

でも、ジョワも、子どもたちも、いつも楽しそうでした。

 

 

「だって、おかしな私達には、

 

おかしな私達なりの幸せが、沢山あるからね!」

 

Fin.

 

作者あとがき

 

ジョワ、という名前は、フランス語で「喜び」という意味だそうです。

私の名前、悦子から、名付けました。

 

幼少期、私は「自分は役立たずだ。どうして生まれきたんだろう。」

と、自己否定をして生きてきました。

 

でも、いろんな人に助けてもらい、導かれて、自分らしい「表現」を見つけたとき、すべての人生が、この瞬間のためにあったのだと気がつきました。

この物語の主人公、ジョワのように。

 

小さなニワトリ、ジョワは、小さかったからこそ、生きることができ、おかしな鳴き声だったからこそ、鳴くこと以外の表現方法を見つけました。

 

私達はありのままで、幸せになれる。

 

そんなことを伝えたくて、この物語を描きました。

作者:大和田悦子

結び絵手紙 講師プロフィール

ライフストーリー制作ワークショップ

 

この物語は、「自分の人生のテーマを物語にして伝える」ワークショップにて制作した絵本です。

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