おかしなニワトリ ジョワ3別れと出会い

ジョワがフクロウさんを笑わすために作った場所は、いつの間にか、いろんな鳥の住処になりました。

 

いろんな鳥と出逢って、いろんな鳥に感謝されて。

 

ジョワにとって、久しぶりの楽しい生活でした。

 

 

 

ところが、そんなある日。

 

大好きなフクロウさんが、どんどんやせ細っていることに気が付きました。

 

ジョワは「どうしたの!?フクロウさん!!」と聞け…ないので、ジェスチャーで一生懸命訪ねました。

 

フクロウさんは答えました。

 

「ここにいると、鳥を食べる気にならないんだよ。」

 

そうです。

フクロウは肉食。

小鳥やネズミなどの、小動物を食べて生きるのです。

 

餌を食べなくなったフクロウさんは、どんどん痩せこけていったのです。

 

 

ジョワはショックでした。

 

 

私がしたことは、また、ムダだった!!

また、大好きな人の、役に立てなかった!!!

 

鳴き声をあげることのできないジョワは、

 

あたりの巣を壊して、思い切り音を立てました。

「やめるんだ!!」

 

フクロウさんがジョワを止めました。

 

 

「ムダなんかじゃなかったよ。

オレにとって小鳥は、ただ食べるための餌だった。

 

だけどジョワと出逢って、違う喜びを知った。

 

 

小鳥を食べられないフクロウなんて、おかしいよな。

 

でも、ここでの暮らしは、本当に幸せだったよ。

おかしいけど、幸せだった。

 

おかしなお前と出逢ったから、幸せだったんだ。」

 

 

「でも、ずっとここにはいられない。

サヨナラ。

ありがとう。

オレのおかしなジョワ。」

 

フクロウさんは、そうして、夜空に飛び立っていきました。

 

 

ジョワは泣きました。

 

 

だんだんと遠ざかっていくフクロウさんを見て…

 

 

 

「フクロウさん!!!

 

サヨウナラ!!!!

 

 

ありがとう!!!」

 

 

ジョワは、

やっと、

 

 

鳴くことができました。

 

 

それからしばらくして…

 

ジョワは、出逢った小鳥と結婚して、たくさんの子どもを生みました。

 

 

小鳥のように鳴くニワトリ。

ニワトリのように大きな小鳥。

 

 

「見て、変な鳥だよ」

 

ときには、笑われることもありました。

 

でも、ジョワも、子どもたちも、いつも楽しそうでした。

 

 

「だって、おかしな私達には、

 

おかしな私達なりの幸せが、沢山あるからね!」

 

Fin.

 

作者あとがき

 

ジョワ、という名前は、フランス語で「喜び」という意味だそうです。

私の名前、悦子から、名付けました。

 

幼少期、私は「自分は役立たずだ。どうして生まれきたんだろう。」

と、自己否定をして生きてきました。

 

でも、いろんな人に助けてもらい、導かれて、自分らしい「表現」を見つけたとき、すべての人生が、この瞬間のためにあったのだと気がつきました。

この物語の主人公、ジョワのように。

 

小さなニワトリ、ジョワは、小さかったからこそ、生きることができ、おかしな鳴き声だったからこそ、鳴くこと以外の表現方法を見つけました。

 

私達はありのままで、幸せになれる。

 

そんなことを伝えたくて、この物語を描きました。

作者:大和田悦子

講師プロフィール

ライフストーリー制作ワークショップ

 

この物語は、「自分の人生のテーマを物語にして伝える」ワークショップにて制作した絵本です。

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