七色イルカリベルの旅~ライフストーリーブックス制作作品~
この記事の目次
ライフストーリー制作ワークショップ
「自分の人生のテーマを物語にして伝える」ワークショップを開催しています!
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ライフストーリー制作作品~七色イルカリベルの旅~
「やーいやーい、へんてこチビイルカ♪
お前の身体、テンテン、ボツボツ、シミだらけ♪」
深い深い海の底で、
いつもリベルは仲間たちからバカにされていました。
仲間たちは普通のイルカと同じように黒っぽい灰色ですが、
リベルは、赤、オレンジ、黄色、緑、青、藍色、紫の七色で覆われていたからです。
リベルは泳ぎが苦手で、
みんなみたいにスイスイと素早く泳げません。
動きものろくて、
みんなみたいにキレイにターンを決めることもできません。
「お前、遅いな~。
お前のターン、へ~んなの♪」
仲間たちは、リベルをからかうことが日課になっていました。
チビでへんてこな模様があって、
のろまなリベルが困るところを見るのが、面白かったからです。
バカにされたり、からわれたりするたびに、リベルは悲しい気持ちになりました。
なんで、こんなにバカにされるんだろう。
なんで、こんなにからかわれるんだろう。
みんなと違うことはいけないの?
みんなと同じじゃなきゃいけないの?
どんなにバカにされても、リベルは言い返せませんでした。
言い返したら、もっとバカにされると思っていたからです。
あまりにも悲しくなったリベルは、
ある日、心を決めて群れを飛び出しました。
遠く遠く、誰にもバカにされない、
誰にもからかわれないところへ行きたくなったのです。
群れを飛び出し、リベルは何日も何日も泳ぎ続けました。
やがて、リベルは海ヘビのお兄さんと出会いました。
おーい、そこのおチビさん♪ 君、ひとりかい?
浮かない顔して、どこに行くんだい?
自分はチビでのろまで、身体にへんな模様があるから、仲間たちにバカにされてきたこと、
あんまりにも悲しくなって群れを飛び出し、来る日も来る日も泳ぎ続けてきたことを、
リベルは海ヘビのお兄さんに話して聞かせました。
お兄さんは笑って、こう答えました。
アハハッ、そんなことで悩んでたのか~?
俺の身体、見てみろよ。お前と同じ、七色のへんな模様があるんだせ。
おしゃれだろ~♪これ、俺のお気に入りなんだぜ♪
でも、俺はお前がうらやましいぜ。
リベルはポカンとして聞き返しました。
どうして?
海ヘビのお兄さんは答えました。
だって俺は、お前みたいに可愛らしい声が出せないんだぜ。
ダンスは得意なんだけどなぁ~。
そんな声が出せたら、俺はもっとモテるのに。
だから、お前がうやらましい♪
何か歌ってみろよ♪
リベルは、小さな声で歌い始めました。
リベルの歌に合わせて、お兄さんは気持ち良さそうに踊っています。
リベルは、ちょっとずつ楽しい気分になってきました。
そうだ、おチビさん。こんなの、どうだ?
お前が歌って、俺が踊る。
俺たちの歌と踊りを、みんなにみせてやろう。
どうだい相棒?歌って踊りながら、
一緒に旅をしないか?
こうしてリベルは、海ヘビのお兄さんと旅をすることになりました。
リベルはお兄さんからダンスを教わり、かっこよくターンができるようになっていました。
そんなふうに色々な海を渡り歩いていたある日、
リベルと海ヘビのお兄さんは、岩場で泣いている人魚のお姉さんと出会いました。
お姉さんの髪はキレイな金色で、うろこは美しく七色に輝いています。
お姉さん、どうしたの?
どうして、そんなに泣いているの?
お姉さんは、泣きはらした目で答えました。
彼にフラれてしまったの。
人魚の私とは付き合えないって。
悲しくて悲しくて、ずっとここで泣いていたの。
受け入れてもらえない悲しみ。
それがリベルにはよく分かっていました。
だから、人魚のお姉さんをなぐさめようと、
リベルは心が休まるような穏やかな歌を歌い、
海ヘビのお兄さんは、それに合わせてゆったりと踊りました。
やがて少しずつ人魚のお姉さんの涙は止まり、声を上げて笑ってくれるようになりました。
ありがとう。何だか元気が出てきたわ。
彼のことなんて、どうでもよくなってきた。
海ヘビさんとイルカさんって、変わった組み合わせね♪
ねえ、私も仲間に入れてくれないかしら?
歌も踊りも得意よ。ジャンプもできるの♪
お姉さんは海に潜ると、次の瞬間、水中から空高く飛び上がりました。
水しぶきが太陽の光を浴びて、キラキラと輝いています。
イルカと海ヘビ、人魚という、ちょっと風変わりな旅回りの一座の誕生です。
一行は、あちらこちらの海でショーを見せて回りました。
思い切って群れを飛び出してよかった!
みんなと違う、へんてこな自分でもいいんだっ!
へんてこな自分でも受け入れてくれる仲間がいるんだっ!
リベルは、とっても良い気分です。
こうして色々な海を渡り歩いていたある日。
一行は海の底で淋しそうに座り続ける、サンゴのお婆さんと出会いました。
サンゴのお婆さんの身体は、暗い灰色で覆われていました。
こんにちは、おばあさん。
何だか淋しそうだね。
どうしたの?
サンゴのお婆さんは、力の無い声で答えました。
おや、変わったご一行様だね。
私は、ずっとここから動くことができなくてね。
退屈でね、何だか元気も出ないんだよ・・・。
昔はもっとキレイな色だったのに、
身体もこんな色になってしまったんだ・・・。
リベルは、サンゴのお婆さんを元気づけるために歌を歌い始めました。
それに合わせて、海ヘビのお兄さんと人魚のお姉さんは、サンゴのお婆さんの周りを踊りながら回ります。
リベルたちが楽しそうに満面の笑顔で歌い踊る姿を見て、サンゴのお婆さんは、つられて一緒に歌い始めました。
すると、どうでしょう。
サンゴのお婆さんの身体が、少しずつ美しい七色の模様が浮き出てきたのです。
やがて、お婆さんの身体は、完全に灰色から虹色に変わっていました。
あ~楽しかった。ありがとう。
あんたたちのおかげか、身体の色も
昔みたいに戻ったよ♪
笑顔でお礼をいってくれたサンゴのお婆さんの周りには、魚たちが集まっていました。
サンゴのお婆さんの楽しそうな笑顔に、引き寄せられてきたようです。
あんたたち、ありがとうね。
本当に楽しかったよ。
たとえ動けなくても、
これからは楽しく過ごせそうだ。
そうして、サンゴのお婆さんにお別れをした一行に、大きな波が打ち寄せてきました。
リベルも海ヘビのお兄さんも、人魚のお姉さんも、流されないようにするので精一杯。
誰も、オイラのことなんか
分かっちゃいねぇんだ・・・。
近くを通ったのは、大きくて真っ黒な、クジラのおじさんでした。
あの、おじさん、どうしたの?
リベルは、恐る恐る話しかけました。
クジラのおじさんは、じろっとこちらを見つめています。
なんだ、イルカに海ヘビに・・・人魚?
へんてこなご一行だな。
オイラ、何のために生きてるのか、
わからねぇんだ。
クジラのおじさんは、ぶっきらぼうに答えました。
毎日、ただ泳いでエサを獲っての繰り返し。
仲間のクジラは当たり前みたいにやってるけど、同じことばっかり繰り返して何が面白いんだ?
リベルはクジラのおじさんに言いました。
ねえ、おじさん、僕たちのショーを見てよ♪
リベルたち一行は、ショーを始めました。
リベルが歌い、海ヘビのお兄さんが踊り、
それに合わせて人魚のお姉さんは
高らかにジャンプします。
そして、時にはリベルと人魚のお姉さんが一緒に歌い、海ヘビのお兄さんが2人の近くを踊りながらまわります。
ハッハッハッー!おもしれ~な!
こんな愉快な気分になったの、久しぶりだ!
お前ら、最高だな♪
オイラも仲間に加えちゃくれねえか。
お前らみたいに身軽には動けないが、こんなことが出来るんだぜ!
そういうと、クジラのおじさんは頭のてっぺんからプシュー!っと潮を吹き出しました。
リベルも海ヘビのお兄さんも、人魚のお姉さんもおもしろくて笑ってしまいました。
こうして、リベルたちの一座にクジラのおじさんが加わりました。
リベルたちと一緒に歌い踊るうちに、おじさんの身体には七色の模様が現れ、やがて全身が七色で覆われました。
クジラのおじさんの大きな身体は、素敵なショーの舞台になったのです。
一風変わった旅回りの一座のショーは、海の生き物たちの間で「おもしろい」と大人気です。
もうリベルは、へんてこでチビでのろまなイルカではありません。
ちょっと風変わりな仲間たちと、七つの海を渡り歩いてショーを繰り広げる一座の座長です。
リベルたちは、今日もどこかで歌と踊りにより海の仲間たちを楽しませていることでしょう。
一風変わった旅回りの一座のショーは、
海の生き物たちの間で「おもしろい」と大人気です。
もうリベルは、へんてこでチビで、のろまなイルカではありません。
ちょっと風変わりな仲間たちと、七つの海を渡り歩いて、ショーを繰り広げる一座の座長です。
リベルたちは、今日もどこかで、
歌と踊りにより海の仲間たちを楽しませていることでしょう。
~作者あとがき~
この物語は、私の伝えたいメッセージ
あなたはいつでも、自由になれる
を、もとに書いたライフストーリーです。
主人公の名前「リベル」は、liberty(自由)の語源を表すラテン語から名付けました。
自由とは何でしょうか?
何の束縛も無いこと、身体が好きなように動かせること等、人により捉え方は様々だと思います。
私が思う自由とは「心の声に素直に従えること」です。
学校、職場、家庭等、あらゆるところで、様々なルール、常識、世間体といったものと共に、人は暮らしています。
なぜ、みんなと同じでなければいけないのか?
なぜ、みんなと違っていてはいけないのか?
私はずっと、そのことに疑問を持っていました。
私は運動が苦手です。
みんなが、すんなりと習得できる動作も、私は人一倍、覚えるまでに時間がかかります。
それゆえにクラスメイトからからかわれたり、「何でこんなこともできないの!?」というインストラクターの心無い言葉に、傷付いたりしたこともありました。
そのたびに
「もうやりたくない。」
「なんで、みんなと同じようにできなきゃいけないの?」
と強く思ったものでした。
短いスカートや化粧禁止等、学校や部活動で決められた厳しい規則に対しても、
「どうして個性を出してはいけないの?」
と疑問を持っていたのです。
大人になっても同様でした。
「あんたに正社員は無理だからね。」
「また転職したの?」
よく母に言われました。
大学卒業後、私は長らくコールセンターでオペレーターの仕事をしてきましたが、正社員雇用ではありません。
なぜ、正社員での就職が良いのでしょう?
なぜ、ずっと同じ会社で働くことが良いのでしょう?
興味があった仕事が、たまたま正社員採用が皆無だった。
自分の求める環境じゃないから、転職した。
ただ、それだけのことだと割り切っていましたが、
私は心のどこかで、気ままに生きる自分に「OK」を出せていませんでした。
ずっと、このままでいいのか。
ずっと、これを繰り返していくのか?
そう感じていました。
そんな時に、カラーセラピーやパステルアート、筆文字と出会ったのです。
カラーセラピーで、
心の奥底にある声を聴き、
パステルアートや筆文字を始めることで、
ようやく、
気ままな自分に「OK」
を出せました。
心の声に素直に従えること、
自分にOKが出せること、
それが楽しく自由に生きるコツだと思います。
もし、今のあなたには心の声が聴こえないなら、私にお手伝いさせていただけませんか?
あなたの心の奥底にある声を、聴いてみませんか?
悩みや迷いを解消するヒントが、得られるかもしれません。
心を解放し、自分にOKを出せたら、きっとあなたはラクになりますよ。
作者
こころ色メッセンジャー みっすー(二本木 美鈴/にほんぎ みすず)
使命塾生、TCカラーセラピスト、パステル和(NAGOMI)アート準インストラクター
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この物語は、自分の人生を紐解き、使命に気づく「ライフストーリーブックス制作ワークショップ」にて作成したものです。
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